ディープレリーフ樹脂凸版
2016年2月9日
ディープレリーフ樹脂凸版は、活版印刷に使用される一般的な樹脂凸版よりも約1.5倍の厚みがあるディープレリーフタイプと呼ばれる感光性樹脂凸版で、特有の深く柔らかいへこみが得られます。
感光性樹脂凸版は紫外線により硬化する為、パソコン上のデータから出力したネガフィルムを介して紫外線を照射しパソコンのデータと同じ形に硬化させます。そして硬化させていない未硬化部分を水で洗い流すことにより像が現れ印刷用の樹脂凸版となります。
近年の活版印刷は、この感光性樹脂凸版の技術向上における印刷再現性の高さに特長があります。伝統的な活版印刷では文字部分は活字、図柄部分は凸版という分類分けとなっていた為、文字部分はパソコン上で組版することはできませんでした。しかし、樹脂凸版でも小さな文字が綺麗に印刷できるようになると、パソコンとの親和性が一気に高まり、よりグラフィカルで繊細なデザインが可能になりました。
ルネサンスの三大発明のひとつである活版印刷は、活版印刷機とインキ、そして活字という三つの複合技術発明と言われています。このうち活版印刷機とインキは、設計と素材に飛躍的な進化がありました。
活字は設計については非常に進化しているのですが、素材については15世紀から約500年間、鉛と錫とアンチモンの合金のまま変わりませんでした。この素材の変革が現在樹脂凸版により行われています。
バードデザインレタープレスで使用しているディープレリーフ樹脂凸版は、国内メーカーが製造している輸出用銘柄の樹脂凸版で、適度な硬度と弾力性がありコットン紙等の嵩高な紙に対して深く柔らかな印圧がかかります。
深く柔らかな印圧は、印字部分に柔らかなエッジを作り、印刷物にできる立体的な陰影が印象に残る美しい刷上がりとなります。またインキののりも良く、ヘアラインからベタまで綺麗にインキがのりオールマイティーとも言える性能を発揮しています。