ディープレリーフ樹脂凸版について
2024年8月4日
ディープレリーフタイプと呼ばれる樹脂凸版は、一般的に、活版印刷用に使用される0.95mm厚の樹脂凸版に比べて、約1.5倍の厚みがある1.52mm厚の樹脂凸版のことを指します。
深いレリーフが刻まれるこのタイプの樹脂凸版を使用すると、通常の活版印刷では表現できない程の深いへこみが得られます。
樹脂凸版は、露光前の板状樹脂凸版に、高解像度で出力したネガフィルムを密着させ、紫外線を照射することにより硬化して像を生成します。その後、未硬化部分を洗い流すことにより硬化した部分が残り、凸版となる形です。
樹脂凸版には厚み以外にもいくつかの種類がありますが、その中でも活版印刷に最適な硬度を持つ樹脂凸版を使用しています。
硬度は、ショアDという数値で表され、比較的柔らかい樹脂凸版(ショアD 55°程度)の場合は、深いへこみを得ようとすると、版が印刷の圧力に耐えられずに印刷が潰れてしまいます。
逆にとても硬い金属凸版の場合は、版が硬過ぎる為に圧力をかけると紙が破れてしまいます。
バードデザインレタープレスでメイン使用している TOYOBO Printight KM152GR(写真の樹脂凸版)では、エンボス加工にも使える程度の最適な硬さ(ショアD 67°)があります。
この場合、圧力をかけても版の表面は変形せずに印刷を行うことができ、且つ、紙の破損を防ぐだけの弾力がある為、一般的にはかけることのできない圧力をかけて印刷をすることができます。
このディープレリーフタイプの樹脂凸版を自社で高精度な製版処理を行うことにより、深いへこみとシャープな印刷という特別な活版印刷技術を実現しています。