Bird Design Letterpress

片面印刷と両面印刷

2011年11月18日

活版印刷でのへこみは、片面印刷か両面印刷か、また両面印刷でも表面と裏面の図柄が重なっているかどうかによって、かけられる印圧具合が変わってきます。印圧具合を大まかに場合分けをすると、以下のようになります。

片面印刷での印圧具合
・表面:大(表面をへこませて印刷)
両面印刷で、表面と裏面の図柄が重なっていない場合の印圧具合
・表面:中、裏面:小(表面を中程度へこませて、裏面は軽くへこませる)
両面印刷で、表面と裏面の図柄が重なっている場合の印圧具合
・表面:中、裏面:極小(表面を中程度へこませて、裏面はほとんどへこませない)

この印圧具合や仕上がりについては、言葉ではなかなか説明しづらいところではあるのですが、ご参考の為に以下にご説明致します。

表面の印圧を大きくすると、裏面には表面に印刷した跡ができます。ですので、両面印刷の場合は、表面の印圧を裏面に跡があまり出ないように加減して印刷する必要があり、結果、片面印刷と比べてへこみは少なくなります。

また両面印刷時には、裏面から表面と同じところに印圧をかけてしまうと、表面のへこみが戻ってしまうという状況がある為、表面と裏面の図柄が重なっている両面印刷の場合は、裏面の印圧は最小限に留める必要があります。

表面と裏面の図柄が重なっていない両面印刷の場合でも、表面と裏面の印圧具合には差を出しています。これは、用紙にもよるのですが、紙の表面は裏からの跡が目立ちやすく、紙の裏面は表からの跡が比較的目立ちにくいからです。また、紙の表面を比較的くっきりとへこませた方が、印刷仕上がりが綺麗になるという経験上の理由もあります。

個人的には中程度の印圧(両面印刷の表面)でも、くっきりとしたへこみ具合だと感じていますが、片面印刷の方が裏面を気にせず印刷できる為、よりくっきりとしたへこみ具合になります。

※印刷図柄面積の大きさによっては、へこみが出ない場合もあります。